所得控除が見直し!?負担増の未来2。

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今回は先週ニュースになっていた『所得控除の見直し』についてまとめていきます。平成27年1月1日から施行された相続税・贈与税の税制改正や消費税の増税の流れからも明白なように、今回の『所得控除の見直し』も負担増につながる流れになるのではないかと思います。

もちろん、役人さんは賢いので、負担増のところばかりが注目されないような表現をされるでしょうが・・・

所得控除とは?

まず最初に【所得控除】について簡単にご説明しておきます。

とても簡単に説明すると、支払わなければならない税金を計算する際に、非課税の枠(課税されないお金)として収入から引くことができる金額のことです。なので、【所得控除】があるために、支払うべき所得税・住民税が少なく済んでいます

【所得控除】は、税負担の公平性を保つために導入されている制度です。例えば、夫婦の家庭と夫婦+子供2名の家庭では、年収が同じでも支払っている税金の金額は異なります。日本の未来にとって大切な子供を養っている家庭の方が、税負担は少なくなっています。そのあたりの調整を行っているのが【所得控除】なのです。

また【所得控除】と以下のような種類があり、ご家庭の状況に合わせて適用される控除が異なります。

  • 医療費控除・・・通院・入院・手術などお医者様のお世話になった医療費が対象
  • 配偶者控除・・・配偶者の収入103万円以下のときに対象
  • 配偶者特別控除・・・配偶者控除が受けられないとき、配偶者の収入に応じて段階的に控除額が決まります
  • 社会保険料控除・・・公的年金・健康保険料・介護保険料(40歳以上)が対象
  • 生命保険料控除・・・生命保険・医療保険・がん保険・個人年金保険などの保険料が対象
  • 損害保険料控除・・・火災保険・自動車保険・地震保険などの損害保険料が対象
  • 扶養控除・・・子ども・老人などの扶養家族がいる場合に対象
  • 勤労学生控除・・・働きながら学生しているときに対象
  • 寡婦控除・・・夫と死別、あるいは離婚してシングルのとき対象
  • 寡夫控除・・・妻と死別、あるいは離婚してシングルのとき
  • 障害者控除・・・一定の障害のある人が、障害の程度に応じて控除額が決まります
  • 雑損控除・・・自然災害や盗難などで、損害があったときに対象
  • 小規模企業共済等掛金控除・・・年間で支払った掛金の総額が対象
  • 寄付金控除・・・ふるさと納税など、(公的機関などに)寄付した金額が控除対象
  • 基礎控除・・・無条件で全員に認められている控除

実はこれだけ様々な【所得控除】があります。各ご家庭の状況に合わせて【所得控除】を適用することで、各ご家庭の負担する税金が不公平とならないように調整してきました。かなり考えられた素晴らしい制度なのではないかと、個人的には思っています。

所得控除・基礎控除・見直し・検討

 

所得控除の見直しのポイント

今回の所得控除見直しのポイントは以下の通りです。

上述した所得控除の中の【基礎控除】が見直しを検討されています。【基礎控除】があることで、どんなに年収の高い方でも、どんなに年収の低い方でも一律で38万円の控除枠が適用されてきました。【基礎控除】が適用されるだけで年収の高い最高税率の方だと17.1万円(≒38万円×最高税率45%)、一番税率の低い方だと1.9万円(≒38万円×最低税率5%)。この数字からもわかる通り、高所得者ほど減税効果が大きいのが【基礎控除】です。つまり、高所得者ほど減税効果が大きいとして、今回は【基礎控除】の見直しが検討されているのです。

昨今の社会の流れとして非正規雇用が拡大し、家族を養う経済的余裕がない若年層が増加しています。そのような低所得者の税負担を軽減し、高所得者に一定の負担増を求める方向で、減税額を一定にする案や所得制限を設ける案が検討されています。

先日、生命保険研究ラボでも取り上げた【配偶者控除】の見直しと合わせて、平成29年度税制改正に向けて政府税制調査会で話し合われていくようです。

 

まとめ

非正規雇用など、低所得者層にとっては大変喜ばしい税制改正となる可能性があります。しかし、将来の日本を支えていくであろう高所得の人々には税負担がさらに大きくなりそうです。現状でも課税される所得金額が330万円でも(消費税と所得税を合わせても)約30%も税金を支払わなければなりません。負担する税金は99万円(≒330万円×税率30%)です。330万円のうち99万円です。なかなか大きな金額ではないでしょうか。

日本は累進課税制度なので、高所得の方であれば、さらに負担する税金額は増加します。今の私はそんなに稼いでいませんが、稼いでいる人であればあるほど、なかなか大変な未来になっていきそうな気がします。

※ご参考