保険業法の改正と保険代理店の未来

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少し前のお話になりますが、2016年5月より保険業界が変化したこと、ご存知でしたでしょうか?

2014年5月に改正された保険業法が施行されるのが、実は2016年5月だったのです。保険屋さん(特に保険の代理店)は仕事のやり方が変わるので、周知の事実だと思いますが、なかなか一般の方には馴染みがないだろうと思います。しかし、この保険業法の改正によって、保険の加入や見直しを検討されている方々に影響があるのです。

少し今更ですが、保険の新規加入や保険の見直しを検討されている方々にとって関係ある部分を中心にまとめていこうと思います。

保険法・保険業法とは?

まず保険法・保険業法について、ご説明します。

保険業法(ほけんぎょうほう、平成7年法律第105号、英語表記:Insurance Business Act)は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営および保険募集の公正を確保することにより、保険契約者などの保護を図 り、もって国民生活の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする(保険業法第1条)日本の法律である。平成8年(1996年)4月1日施行。

※ウィキペディアより抜粋

というのがきちんとした説明になるのですが、わかりにくいと思うので、とても簡単にご説明すると『保険業法は、保険の契約者(お客様)を守るために、保険屋さんがきちんと仕事をするルールを定めた法律になります。

保険業法があることで、保険屋さんがどんな営業活動をしていいわけではなく、(ある意味)お客様がきちんと保護されているということが言えます(それでも違法行為をしている保険屋さんも存在していますが・・困ったものです)。

 

保険法・保険業法、2016年の改正点

そんなお客様の利益・生活を守るために存在している保険業法ですが、2016年の具体的な改正点は以下の通りです。

  • 意向把握義務
    元々、保険の募集をする際には、嘘ついたり騙してはいけない(虚偽の説明・重要事項を告知しないことはいけない)ということが禁止事項になっていましたが(人として当たり前のことなんですが・・)、2016年の改正でお客様の考え方・要望をきちんと把握して、最適な保険に加入いただきましょうという意向把握義務が導入されました(これも人として当たり前のことなんですが・・)。またインターネット生保等の対面しない販売スタイルでも、お客様の意向確認が必須となります。
    お客様にとっては騙される可能性が減りますし、仮にだまされたとしても保険業法を元に戦えるので、とても良い改正点だと思われます。
  • 情報提供義務
    (これも人として当たり前のことなのですが・・)お客様が保険に加入する際に、保障の内容やどのくらい貯蓄されるのかとか、保険料をいつまでいくら支払わないといけないのか、等をきちんと保険屋さんが説明しないといけなくなりました。改正前の保険業法でも、不利益な事実を説明しないこと、誤解を与える可能性のある比較、断定的な判断をすること等は禁止されていましたが、お客様が自分で提案の良し悪しを判断できるようきちんと情報提供することが必須となりました。また改正によって、複数の会社の保険商品を提案する場合は、お客様が比較できるよう保険商品の特徴と提案の根拠の説明を保険屋さんがしなければいけないのです。
    こちらもお客様にとっては、保険屋さんの都合ではなく、判断するのに必要な情報をきちんと提供いただけることになったので、とても良い改正点です。
  • 募集体制の整備
    改正前の保険業法では、保険会社にはかなり厳しい保険募集人の教育や募集体制の整備を義務付けていまいしたが、保険代理店などに対しては非常に手薄な状況でした。それが保険代理店などが非常に拡大したことに合わせて、保険代理店でも保険会社同様にきちんと保険募集人を管理するよう徹底したということです。保険代理店を行っている会社で社内規定等の整備が必要になってくるので、保険代理店の経営陣は大変です。
    (保険業法がきちんと機能すれば)保険募集人のクオリティの向上につながりますので、この改正点もお客様にとってはとても良いものです。

あとは海外展開の規制緩和というものもありますが、これは保険会社がヘタに海外の会社を買収して経営が傾かない限りは、一般の保険のお客様には影響がない部分なので、割愛します。

 

2016年の保険業法の改正の背景には、保険商品の多様化販売チャネルの多様化です。一言で保険商品といっても、掛け捨ての保険、貯蓄できる保険、定期保障の保険、終身保障の保険、死亡保障、入院保障、手術の保障、障害の保障、介護の保障、年金の保障、認知症の保障など、とても幅広い保障の保険が今ではあります。また元々は保険会社に所属する人間が保険の販売をするだけだったのですが、いつのまにか銀行の窓口での保険販売が始まり、保険会社に所属していない独立したFP(ファイナンシャルプランナー)、非常に多くの保険代理店でも保険の販売がされています。

元々の保険業法ができた時代の保険業界は、昨今のような多様なものではなかったのです。昨今の保険業界の実情に合わせて改正されたということです。

保険法・保険業法・改正・2016

 

2016年の改正による保険代理店の未来

今回2016年の保険業法の改正点は、主に保険代理店向けの改正となります。保険会社は金融庁から厳しくチェックされている中で、保険代理店はとてもゆるいチェック環境だったものが、今回の保険業法の改正で一気に厳しいチェック環境下におかれることになったということです。

ただ、上述した通り、『(個人的な意見ですが)人として当たり前のことをきちんとしましょう』という部分がほとんどだと思いますので、これまでも真面目にきちんとやってきた保険屋さんにとっては、少し事務作業が増えるくらいの手間でしょう。その反面、きちんと真面目にやってきていない保険屋さんや保険代理店にとってはとても厳しい環境になったので、そのような保険屋さん・保険代理店は淘汰されていくことでしょう。

 

まとめ

きちんと仕事をしていなかった保険屋さん・保険代理店が自然に淘汰されている環境になったので、お客様にとってはとても良い2016年の保険業法の改正です。このブログは、私がこれまでに学んできたことを中心にまとめております。この生命保険研究ラボが、少しでもお役に立てたら幸いです。