マクロ経済スライドと貯蓄の重要性

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今回は老後の年金のことを中心にまとめていきます。

平成27年度の年金額が増額になったことご存知だったでしょうか。平成26年度の年金額対比で0.9%の引上げとなりました。実は前年度比で年金額が上昇するのは16年ぶりのなのです。

しかし年金額が増額したからと安心していてはいけません。まず1点、この先、何十年と人生が続く方が多い中で、日本の財政状況や人口ピラミッドを鑑みたときに、今の年金額の水準で年金制度がどこまで継続することができるのか、はたして疑問です。2点目として今回のタイトルにさせていただいた『マクロ経済スライド』という制度があります。

1点目の日本の財政状況や人口ピラミッドのことは、ニュースや他の方のまとめを参考にしていただくとして、今回は老後の年金のことの中で、『マクロ経済スライド』についてまとめていきます。

マクロ経済スライドとは?

まず『マクロ経済スライド』とは何かを簡単にご説明します。『マクロ経済スライド』は平成16年の年金制度改正で導入された制度です。10年近く前に制度としてはあったにも関わらず、ほとんど話題になっていないのは、平成27年4月まで発動されることがなかった為です。

『マクロ経済スライド』の内容を見ていきます。厚生労働省の説明としては『賃金や物価の改定率を調整し、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組み』というものでした。これだけではよくわからないと思うので、もう少し踏み込んでご説明します。

『マクロ経済スライド』が導入される以前は、物価の上昇・下落に連動する形で、年金支給額が決まっていました。つまり物価連動型だったのです。物価が上昇すれば年金支給額は同じ割合で増えました(物価上昇1%であれば、年金支給額も1%増加etc)。そして物価が下落すれば年金支給額は同じ割合で減少する(物価下落1%であれば、年金支給額も1%減少etc)という制度でした。ただ実際は経済の発展に伴い物価は上昇傾向にあったので、年金支給額が減少することは、私が記憶する限りほとんどありません。

それが『マクロ経済スライド』制度の導入により、物価減少時はこれまで同様に同じ割合で年金支給額が減少します(物価が1%下落であれば、年金支給額も1%減少)。そして大きな変更点は物価上昇時です。これまでは同じ割合で年金支給額が増加していましたが、今後は調整率分差し引かれるようになりました。現行のスライド調整率は0.9%です。計算式は次の通りです。

物価上昇率 - スライド調整率 = 年金支給額の増加率

つまり物価上昇が1%だった場合、【 1% - 0.9% = 0.1% 】となり、年金支給額は0.1%しか増加しません。また平成27年度の数字で見てみますと、『物価スライド特例措置の解消』も実施されている為、次のようになります。

物価上昇率 - 物価スライド特例措置の解消 - スライド調整率 = 年金支給額の増加率

【 2.3% - 0.5% - 0.9% = 0.9% 】

つまり、物価上昇2.3%に対して、年金支給額は0.9%しか増加していない為、1.4%分は生活が厳しくなるということです。仮に毎年物価上昇が2.3%だとすると(特例の解消を抜きにしても)少なくとも毎年0.9%ずつ、物価と年金支給額(収入)の差は広がっていきます。この先、数年しか生きないという方には、それほどインパクトのあるお話ではないかも知れませんが、この先数十年と生きていく方には、年を重ねれば重ねるほど、この『マクロ経済スライド』の影響は大きくなります。

 

まとめ

上述したとおり、この制度が適用されて年数が経過すればするほど、物価に対して収入が減少する為、自由に使えるお金が減少していきます。すでに80代後半や90代の方であれば、そこまで心配する必要もないかも知れませんが、60代前半でまだまだこれから年金受給が開始されて何十年と年金受給される方々には、とてもインパクトがあることです(残念ながら私の両親もその世代です・・)。

その為、まだ現役で収入がある方々は、少しでも多くのお金をきちんと老後に向けて貯蓄することをオススメ致します。少しでも有利な形で貯蓄できるかどうか、無駄な支出をどれだけ減らすことができるかが勝負だと思います(もちろん、収入を上げることで貯蓄を増やす選択肢もありですが、現実的に収入を上げることを実行できる方は少数派ではないでしょうか)。

またすでに年金受給されている方や、もうすぐ年金受給が始まる方々は、少しでも無駄な支出を省いたり、生活水準を見直すことが可能であれば、生活水準を見直されることをオススメ致します。

私のブログでまとめている生命保険も、無駄が省ける可能性がある分野なので、(まずは資料請求でも構いません)是非とも専門家へのご相談をオススメ致します。